被疑者が逮捕された後は取り調べが行われ、その際に供述調書が作成されます。この供述調書には「弁解録取書」と「身上調査書」というものがあります。それぞれ、どんな内容が書かれるのでしょうか。逮捕に関する様々な疑問を調べている浅野総一郎は、「弁解録取書」と「身上調査書」についてご説明していきます。
弁解録取書について
逮捕直後の取り調べで作成される弁解録取書は、簡単に説明すると被疑者の最初の主張・言い分が記された書類です。警察や検察にとっては、今後の捜査方針を位置付ける書類と言えます。書き方は容疑を認めているか、否定しているかによって変わってきます。
容疑を認めている場合
初めから容疑を認めている場合は、事件の詳細を細かく記載し、反省していることを記載します。具体的には被疑者の名前や生年月日、住所などの個人情報、事件の日時、場所、事件内容などが書かれます。この書類は一人称で書かれている点が特徴的で、文章の書き始めが「私は」と始まり、被疑者が証言しているような分になるようです。
容疑を否定している場合
容疑を認めていない場合は、完全否定を主張する文章が作成されます。認めている時が一人称であることに対して、否定する際は一問一答の形式で作成されるようです。例えば、「この日、この時間、あなたはここにいましたか?」と質問されれば、「いいえ。その時間、その場所にはいませんでした」というように否定の回答が記述されます。この形式は容疑者に対して供述を引き出せないときに使われることが多く、一人称で語る形式がほとんどだそうです。
身上調査書について
もう一つ、逮捕後の取り調べで作成される身上調査書は、簡単に言うと被疑者の履歴書です。出身や出身校、職歴などが記載されます。調査に必要な書類なのか浅野総一郎は疑問に思ったのですが、意外に重要な書類のようです。なぜなら、この履歴書を通じて誰から証言を取るのか、交友範囲や生活範囲がどうなっているのかなどを把握します。
実は、この中に事件に関する重要な手がかりが隠されている可能性もあるのです。逆に言えば、無実を証明するためにも必要なので、聞かれたことは素直に答えましょう。
まとめ
弁解録取書と身上調査書を含む供述調書は、後の刑事事件の重要証拠として用いられます。述調書と自分の主張の食い違いがわずかでもあれば、署名拇印を行うことは避けた方が良いと浅野総一郎は思います。日本は自白を重要視する傾向があるので、供述調書を認めることは、容疑を認めたことに同じことです。無実の罪で取り返しがつかないことになりかねないので、間違っていることは細かいところでも訂正を求めてください。